高圧電気工事に必要な資格・許可とは?第一種電気工事士・施工管理技士・電気主任技術者の違いを解説

「高圧電気工事を依頼するとき、業者にどんな資格が必要なのかよくわからない」
「電気工事士と電気主任技術者は何が違うのか?」

発注者の立場では、こうした疑問を持ちながらも確認しづらいものです。

高圧受電設備の工事には、法令で定められた資格・許可を持つ技術者が携わることが義務付けられています
どんな資格がどんな役割を担うのかを知っておくことは、
安全な工事を発注するための大切な判断材料になります。

この記事では、高圧電気工事に関わる主な資格・許可の種類と、それぞれの役割の違いをわかりやすく整理します。

高圧電気工事に関わる主な資格・許可

高圧受電設備の工事・管理には、目的の異なる複数の資格・許可が関係します。
大きく「工事を行う側の資格」と「設備を管理する側の資格」に分けて理解すると整理しやすくなります。

資格①
第一種電気工事士
First-Class Electrician
▶ 高圧・特別高圧の電気工事を「実際に施工する」ための国家資格

高圧受電設備(600Vを超える電圧の設備)の電気工事を行うには、
第一種電気工事士の免状が必要です。
第二種電気工事士では低圧(600V以下)の工事しか行えず、
キュービクルや高圧機器の工事には対応できません。
現場で実際に電線を接続したり、機器を取り付けたりする作業を担います。

対象 電気工事の施工に直接携わる技術者
根拠法令 電気工事士法
主な業務 高圧受電設備・キュービクル・高圧機器の設置・交換・配線工事
ポイント 現場で「手を動かす」作業者に求められる資格

資格②
電気工事施工管理技士
Electrical Construction Manager
▶ 工事全体の「施工管理・品質・安全」を監督するための国家資格

電気工事施工管理技士は、工事現場全体の工程・品質・安全・原価を管理する
「現場監督」の役割を担う資格です。
一定規模以上の電気工事では、主任技術者または監理技術者として
有資格者を配置することが建設業法で義務付けられています

第一種電気工事士が「現場の施工」を担うのに対し、
施工管理技士は「工事全体をマネジメントする」役割です。

対象 工事全体を管理・監督する技術者
根拠法令 建設業法
主な業務 工程管理・品質管理・安全管理・協力業者の調整・書類管理
ポイント 「工事が法令・品質基準を守って進んでいるか」を管理する立場

資格③
電気主任技術者
Electrical Safety Manager
▶ 高圧受電設備を「保有・運用する事業者側」に選任義務がある国家資格

電気主任技術者は、高圧受電設備を保有する事業者が
設備の保安監督を行うために選任しなければならない資格者です。
工事業者の資格ではなく、施設の所有者・管理者側の義務として位置づけられています。
年次点検・月次点検の実施・監督、設備の保安規程の作成・遵守などを担います。
自社に有資格者がいない場合は、外部の保安法人や個人への委託が認められています。

対象 設備を保有・管理する事業者が選任する技術者
根拠法令 電気事業法
主な業務 設備の保安監督・年次点検の立会い・保安規程の管理・行政への届出
ポイント 「工事する側」ではなく「設備を管理する側」に必要な資格

3つの資格の違いを一覧で整理

比較項目 第一種
電気工事士
電気工事
施工管理技士
電気
主任技術者
主な立場 施工業者(工事を行う側) 施工業者(管理する側) 施設の保有者・管理者側
役割 実際の電気工事作業 工事全体の施工管理 設備の保安監督
根拠法令 電気工事士法 建設業法 電気事業法
高圧工事への関わり ● 施工に必須 ● 管理に必須 ▲ 発注者側の義務
点検・保安監督 — 対象外 — 対象外 ● 主な業務

電気工事業の「許可」についても確認を

資格に加えて、電気工事を業として行う会社には都道府県知事または国土交通大臣からの建設業許可が必要です。
「電気工事業」の許可を受けているかどうかは、発注者が業者を選ぶ際の重要な確認ポイントです。

セイトー電設は北海道知事許可(般-2)十第01773号(電気工事業・電気通信工事業)を取得しています。
第一種電気工事士・電気工事施工管理技士などの国家資格者が工事に携わります。

発注者が業者選びで確認したいポイント

「資格があれば安心」とは一概には言えませんが、
以下の点を確認しておくことで、安全・適正な工事を依頼できる業者かどうかの
判断材料になります。

  • 建設業許可(電気工事業)を取得しているか
  • 第一種電気工事士の有資格者が自社に在籍しているか(下請け任せでないか)
  • 電気工事施工管理技士が施工管理を担当するか
  • 電力会社への申請・調整を自社で行える体制があるか
  • 施工後の動作確認・試運転・アフターフォローを行っているか
  • 過去の施工実績(官公庁・工場・大型施設など)を確認できるか
注意したいケース
資格者が在籍していても、実際の施工を無資格の下請け業者に任せるケースがまれにあります。
「自社施工かどうか」「有資格者が現場に立ち会うかどうか」を事前に確認することをおすすめします。

この記事のまとめ

  • 高圧電気工事には「第一種電気工事士(施工)」「電気工事施工管理技士(管理)」「電気主任技術者(保安)」の3つの資格が関係する。
  • 電気主任技術者は施工業者の資格ではなく、設備を保有する事業者側が選任する義務がある。
  • 電気工事を業として行う会社には、都道府県知事または国交大臣の建設業許可が必要。
  • 発注者は「許可の有無・有資格者の在籍・自社施工かどうか」を業者選びの判断材料にしよう。
  • 資格と実績の両方を確認することが、安全・安心な工事発注につながる。

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