高圧受電設備の更新で停電は避けられない?時間を最小限に抑える工程の工夫を解説

「設備を更新したいけれど、停電で工場の操業が止まるのが心配」
「どれくらいの時間、電気が止まるのか事前に知っておきたい」

工場・事業所の設備担当者の方から、こうしたご相談を多くいただきます。

結論からお伝えすると、高圧受電設備の更新工事には一定の停電時間が必ず伴います
ただし、工程の組み方・事前準備・夜間や休日の活用次第で、
停電時間と業務への影響を大幅に抑えることができます

この記事では、停電時間の現実的な目安・影響を最小化するための工程の工夫・
夜間・休日対応の実態を整理します。

なぜ高圧受電設備の更新に停電が必要なのか

高圧受電設備(キュービクル・高圧機器など)は、
施設全体に電気を供給する「電気の入口」に当たる設備です。
この設備を交換・改修する際には、安全に作業を行うために
設備への通電を止めた状態(停電状態)で作業を進める必要があります

活線状態(通電したまま)での高圧設備の作業は、
作業者の感電事故・設備の損傷・周辺機器への影響など、
重大なリスクを伴うため、法令上・安全管理上も停電作業が原則です。

ただし、「停電=施設全体が終日使えなくなる」とは限りません。
工事の範囲・工程の組み方・事前の資材準備の状況によって、
停電の時間帯・範囲・回数はコントロールできる部分があります。

工事内容別・停電時間の目安

停電時間は工事の規模・内容によって大きく異なります。
あくまで参考値ですが、一般的な目安は以下の通りです。

工事の内容 停電時間の目安 備考
高圧機器の単体交換
(VCB・LBS・変圧器など)
4〜8時間程度 機器1台の交換であれば比較的短時間で完了しやすい
キュービクル内部の複数機器更新 8〜12時間程度 機器の数・配線の複雑さによって前後する
キュービクル本体の丸ごと更新 1〜2日程度
(分割施工の場合は複数回)
撤去・据付・配線・試験・試運転を含む
高圧ケーブル(CVT・CV)の引き替え 4〜8時間程度 ケーブルの延長・ルートにより変動する
PAS(高圧気中開閉器)の交換 2〜4時間程度 電力会社との調整・立会いが必要
※上記はあくまで参考値です。設備の状態・現場の条件・電力会社との調整状況によって
実際の時間は前後します。正確な工程は現地調査後にご提示します。

停電の影響を最小限に抑える工程の工夫

経験のある施工業者であれば、停電時間を短縮・分散させるためのさまざまな工夫が可能です。
代表的なアプローチを整理します。

  • 事前の資材・機器の搬入・仮置きを済ませておく

    停電前に新しい機器を現場に搬入・配置しておくことで、
    停電後すぐに交換作業に入ることができます。
    「搬入に時間がかかって停電時間が延びる」という事態を防げます。
  • 停電前にできる準備作業を前倒しで進める

    配線の引き回し・固定金具の取り付け・図面の確認など、
    通電状態でも行える準備作業を事前に済ませることで、
    停電後の作業時間を最小限に圧縮します。
  • 分割施工で停電回数・時間を分散させる

    一度に全設備を更新するのではなく、
    フェーズを分けて複数回に分割して施工する方法です。
    1回あたりの停電時間を短くできる反面、
    工期が長くなる・工事費が増える場合があります。
    操業への影響を最優先する施設では有効な選択肢です。
  • 夜間・休日・定期メンテナンスのタイミングに合わせる

    施設が稼働していない時間帯・曜日に工事を集中させることで、
    業務への影響をほぼゼロに近づけることができます。
    夜間・休日対応は施工コストが増える場合がありますが、
    操業ロスと比較した上で検討する価値があります。
  • 仮設電源・非常用発電機を活用する

    施設によっては、工事中に仮設電源や非常用発電機を活用して
    一部の設備・回路の稼働を維持できる場合があります。
    特にサーバー・冷凍設備・医療機器など、
    停電が致命的な設備がある場合は事前に検討が必要です。

夜間・休日対応の現実

「夜間や休日に工事ができるか」というご質問もよくいただきます。
対応の可否と現実的な注意点を整理します。

夜間施工(平日夜間)
▶ メリット

日中の業務・操業への影響がほぼない。翌朝の始業前に復旧できれば操業ロスを防げる。

▶ 注意点

作業時間が限られるため、大規模工事には向かない。
深夜割増・安全管理費が加算され、施工コストが上がる傾向がある。
電力会社の立会いが必要な工程は時間帯の制約がある場合がある。

休日施工(土日・祝日)
▶ メリット

まとまった作業時間を確保しやすく、中〜大規模の工事にも対応しやすい。
施設スタッフへの影響を最小化できる。

▶ 注意点

休日割増が発生し、施工コストが増える場合がある。
業者側の人員確保・スケジュール調整が必要なため、早めの計画が重要。

夜間・休日対応を希望する場合の注意点
夜間・休日対応は、業者によって対応可否・費用の扱いが異なります。
見積もり段階で「夜間・休日対応の可否」「追加費用の有無」を
明確に確認しておくことをおすすめします。
また、電力会社の立会いが必要な工程は、
電力会社側のスケジュールとの調整が必要になる場合があります。

停電計画をスムーズに進めるための事前準備

業者との打ち合わせをスムーズに進め、停電時間を最小化するために、
発注者側であらかじめ整理しておくと役立つ情報があります。

事前に整理しておくと役立つ情報

  • 停電可能な時間帯・曜日・シーズンの制約(繁忙期・棚卸期間など)
  • 停電が特に困る設備・回路(サーバー・冷凍設備・生産ラインなど)
  • 非常用発電機・UPSの有無と対応可能な負荷の範囲
  • 過去の停電実績・点検時の停電時間の記録
  • 施設内の関係部署・テナントへの連絡・調整が必要かどうか

これらを事前に整理した上でご相談いただくと、
より実態に即した工程提案・停電計画をご提示することができます。
セイトー電設では現地調査の段階からこうした情報を丁寧にヒアリングし、
施設の操業・業務に合わせた停電計画を一緒に考えます

この記事のまとめ

  • 高圧受電設備の更新工事には停電が伴うが、工程の工夫で時間・範囲・回数はコントロールできる。
  • 停電時間の目安は工事内容によって2時間〜数日まで幅があり、事前の準備次第で短縮できる。
  • 事前の資材搬入・停電前準備・分割施工・夜間休日対応など、影響を最小化する手段は複数ある。
  • 夜間・休日対応は施工コストが増える場合があるが、操業ロスと比較して検討する価値がある。
  • 停電可能な時間帯・困る設備・発電機の有無などを事前に整理しておくと、計画がスムーズに進む。

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